お知らせ

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続②『不思議な世界』

『不思議な世界』 島野です。

弊社事務所は、横浜市緑区に在り直ぐ近くを鶴見川が流れいます。私は、鶴見川土手を朝ジョギングしています。桜のシーズンは、終わり若葉が芽吹くシーズンと成りました。川辺に一本、又は、数本群れて他の木より遅れて芽吹き始めている木が有ります。オニグルミです。

落葉広葉樹で樹高が20mに達する木も有りますが、鶴見川沿いには、そのような高樹を見かけません。日本に繁茂するクルミ科で唯一食用になり、栄養価も高く縄文時代から食料として利用されていたそうです。

オニグルミは、桜等と違い花弁が無く、風媒花の木です。繁殖の為昆虫を呼び寄せる為の花、蜜を作るエネルギーを節約しています。雌花、雄花を分離して咲かせる雌雄同株です。雌花は、開葉と同時に枝先に芽吹き、苞から10㎝程の2本の角のような赤い花を咲かせます。雌蕊が吹いた木を観察すると、葉の下で固く閉じたまま開花する気配がない未成熟の雄花が有ります。雌性先熟タイプの木です。他の木を観察すると、枝から10㎝程の尾状の房をぶら下げた雄花が開花した木が有ります。枝先の雌花は開花しておらず未成熟です。雄性先熟タイプの木です。雌性先熟タイプと、雄性先熟タイプが群れに混在をしています。

雌性先熟タイプの木は、雌花がしおれると雄花を開花させます。雄性先熟タイプの木は、雄花がしおれると、雌花を開花させます。どちらのタイプがより大きな実をつけるのか、今後観察するつもりです。

オニグルミは、桜と同じ自花不和合の木で自家受粉をせず、他花受粉でしか果実を実らせません。雌雄の花を同時に咲かせても自家受粉できないので、それぞれの木が雌雄の花の開花時期をずらせ調整しています。雌性先熟タイプは、雄花咲かせるエネルギーを浪費せず沢山の雌花を咲かせ、他家受粉する事に専念します。雌花がしおれると、今度は雄花を咲かせ、沢山の花粉を飛ばし受粉させる為にエネルギーを集中します。雄性先熟タイプも雌雄の開花時期を逆転させ調整しエネルギーの無駄をしません。どのように木々は雌雄の開花時期を調整し、どのような比率に成っているのか、とても不思います。

ジョギングの最中に雌性先熟タイプ・雄性先熟タイプの比率を知りたくなります。雌花は枝先で葉に隠れている為、土手の上から観察します。そして雄花の状態を観察する時、川辺に下りてゆきます。オー!「これは雌性先熟タイプ」・「これは雄性先熟タイプ」と判別し比率を考える時、何故か嬉しくなります。比率は、略50%のようです。

ジョギングを中断し土手と河辺を何度も往復します。アップルウオッチが「ジョギングを終了しますか?」と質問。もう一人の私が、「おい!真面目に走れ!1キロ6分以内の目標はどうする?」と不平を言っています。